勾玉日記

黒川 和嗣のブログです。

"日本の成長には、左派の成熟が必須  「国際社会に於ける反日問題」6/6"

 黒川 和嗣(くろかわ かづし)です。本日は、これまで考察を行った内容をベースに今、国内外が向き合っている課題について触れてみたいと思います。  

 

「国際社会に於ける反日問題」3/6

第1項 "反日の4カ国に対抗する磐石政権"

第2項 "西洋視点に映る、米国民の命を買う日本"

第3項 "ロビー活動と戦後処理を行うための改憲論"

第4項 "反日諸国とこそ結ぶべき、国家相互依存性"

第5項 "反日の外資を日本の糧とする、個別的相互依存性"

第6項 "日本の成長には、左派の成熟が必須"

 

◼第六項 「更なる課題」
 本稿を通して「長期政権の安定」「国際秩序への責任」「安全保障の強化」「相互依存性による抑止力」など、国際社会との関係性について申し上げてきました。これらの活動は反日への対処に限らず、成長戦略としても重要な項目となるでしょう。しかし、今般の米中関係や韓国のGSOMIA破棄宣言、イギリスのブレクジット、G7の不協和音をはじめ、西洋諸国の求心力の低下などを鑑みると、「戦後秩序の再形成」という更なる課題が見えてきます。この点は個別事案のインパクトの大きさより、潮流としての現れで、戦後に形成された、人口ボーナスによる経済システムの欠陥や、東西に分ける事が出来ない中国という新たな経済圏の台頭、政治のポピュリズム化などが根底に存在します。

 特に政治のポピュリズム化は強く、国民の意識が政治へ直接的に影響を及ぼす傾向が増しています。例えば、日韓問題であっても両国の対立が激化する程、両国の政権は支持率が高くなりますし、れいわ新撰組やNHKから国民を守る党など、国民感情を代弁する政党が成立していきます。ただ、これは決してネガティブな要素だけではなく「国民が政治を意識する時代」である現れで、憲法改正や社会福祉など国民生活へ直接影響がある事案を決定していく過程では、大切な事です。
 この点で問題があるとすると、自民党に対抗する野党が存在しない事でしょう。ここでの「対抗」とは単に対立するという意味ではなく、自民党に対立する「成熟したプログレッシブ(進歩的)な政党」が必要だと言うことです。多くの政治学者や識者も同じ指摘をしていますが、全くの同感であり、戦後最長の政権が終わった後、最も重要な課題となるでしょう。

 アイチトリエンナーレや女性への性差別問題、働き方改革の裏にあるパワハラ問題、持続可能なエネルギー政策など、語られるべき事案の多さに対し、世間で取り上げられるものは感情的な部分が多く、実に結び付く部分は多く無い事が現状です。

 

 国際社会が戦後秩序の再形成という課題へ歩む中、戦後最長の政権が築いた安定感の裏で、政治的に対立する健全な国内構造を成立させる為に、「成熟したプログレッシブ」が求められているのでは無いかと、私は考えています。

 

 本日はここまでです。第六項に亘る【国際社会に於ける反日問題】は、前述の通りただ「反日への対抗」という観点ではなく、日本の抱える課題や、戦後秩序への取り組みとしても、重要なファクトとなる課題だと考えています。流動的な世界情勢の中、プログレッシブ問題と同様にこの点においても、国民生活の中で、更なる議論を深める事が求められる時代ではないでしょうか。

 

 

 

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Photo: Hans-Peter Gauster