勾玉日記

黒川 和嗣のブログです。

"反日資本を日本の糧とする、個別的相互依存性  「国際社会に於ける反日問題」5/6"

 黒川 和嗣(くろかわ かづし)です。前回までは、軍事、外交、経済において、国家間の視点で考察を行いましたが、今回はもう少し範囲を広げて考察を行います。

 

「国際社会に於ける反日問題」3/6

第1項 "反日の4カ国に対抗する磐石政権"

第2項 "西洋視点に映る、米国民の命を買う日本"

第3項 "ロビー活動と戦後処理を行うための改憲論"

第4項 "反日諸国とこそ結ぶべき、国家相互依存性"

第5項 "反日の外資を日本の糧とする、個別的相互依存性"

第6項 "日本の成長には、左派の成熟が必須"

 

◼第五項 「個別的相互依存性」
 まず日本の成長課題として少子高齢化に伴い、消費者・生産者人口の減少、社会保障費の増加、再投資の流出などが挙げられます。これらの問題に対しては、勿論、予防医療やテクノロジーの活用、社会全体での生産性向上、外国人労働者の待遇問題など、多くの視点で語る事が本質的な解決策ではありますが、本稿のテーマである「諸外国との関係性」で考察するのであれば、東南アジア諸国をはじめ、諸外国との外交的、経済的接点(相互依存性)を高めることは、今後の日本社会を構築する上で重要なファクターになるのではないでしょうか。

 消費者としてインバウンドや海外市場が、生産者として外国人労働者(移民)の受け入れが、そしてこれらの経済基盤を元に、社会保障費の一部やグローバルからの再投資を補う事も可能となります。つまり、人口動態の文脈だけで語られがちですが、経済的側面でも、海外との接点は、重要度が高く、海外の資金をいかに日本に流入させるのかを考える必要があります。
 例えば、EUで取り上げられているGAFAへの課税なども参考に含まれるでしょうし、規制ではなく、日本古来のコンテンツである剣術や工芸品、日本酒や和牛などを再定義し、新なコンテンツとして輸出する事や、インバウンドの顧客満足度を向上させる事で、海外市場との接点を深められるはずです。更に、日本が示せる多きなレバレッジは、やはり「少子高齢化社会先進国」と言う点であり、その対策を諸外国へ輸出する事です。ここでは、如何にしてサスティナブルな社会システムを構築するのかが鍵となります。

 

 このように、サプライチェーンとして海外を活用し相互依存性を高めるだけではなく、資金の再投資を含め、労働者としてだけではなく、消費者や投資先として、諸外国を上手く活用する事が直近の課題解決へと繋がります。国交を断交するどころか外資を受け入れ易い環境作りや、国内企業の生産性を向上させ競争力を高め、そしてコンテンツ、サービスなどの輸出を行うことで、政治的反日ロビーと混在した状態であっても、「経済的友好関係」が抑止力として働きます。

 

 近年の国際情勢はどうでしょう。日韓関係は、元徴用工問題から貿易問題へ、更には安全保障問題にまで発展してしまいましたが、これこそ正に、本稿のテーマに至るところで、日本政府は「政治的対立としては、国際社会に帰属する国家として、毅然と対応し、貿易問題としては、相互依存性を利用し、軍事的対立としては、自国の防衛機能を独自で活用する事で、国家としての立場を明確に内外へ示す」事となります。ただ、米中の貿易摩擦が収束するどころか拡大を続けている点や韓国の北朝鮮融和政策などに関しては、少し文脈が違います。本稿ではテーマ外なので、深くは触れませんが、根幹にあるのは、戦後秩序の再形成なので、単に相互依存性に委ねるとはいきません。

 

 一概に出来ない点はありますが、反日活動に対して、ヘイトを行う事や、一般レベルで反反日ロビー活動を行ったり、ただただ感情的に国交を断交する事は、効果的とは言えず、それどころか、自国の国益を脅かしかねません。国家として、自国の国益や成長戦略を考慮するのであれば、本稿で取り扱ってきた内容が、反日への対策として、有効性を示す選択肢の1つではないでしょうか。

 

 今回は、国家活動から視野を広げ、民間の部分や成長戦略について、考察を行いました。次回は反日から少し離れて、更なる課題について簡単に触れ、このテーマを終えたいと思います。

 

 

※記事を読んで下さる皆様へ.本稿の内容に興味をお持ち頂けたなら、大変に光栄です.

  有難うございます. お気軽にTwitterで交流をして下さいね. 

[黒川 和嗣(Kazushi Kurokawa)Twitter ]

 

f:id:KKUROKAWA:20200208004229j:plain

Photo: chuttersnap